For The Next Generation つづける、つなぐ、つぎへ 秋元克広公式サイト つづける、つなぐ、つぎへ WEB

6つの道標

6つの道標 2023-2026

さっぽろにはたくさんの魅力があります。また、この街に住む人々には、どこにも負けない、ふるさとを愛する強い思いがあります。

一方で、さっぽろを取り巻く環境は、決して順風満帆とはいえません。市民の健康の充実や、生活の安全・安心を取り戻すために、新型コロナウイルス感染症、災害級の大雪、物価高騰などがもたらす実害や先行きへの不安に、適切に対処していかなくてはなりません。

そして、人口減少・少子高齢化などの社会構造の大きな変化や気候変動への対応、共生社会の実現などに対する取り組みも、足踏みすることなく、むしろ加速させていかなくてはなりません。

今と未来に向けた取り組みを、バランス良く進めていくために、次の「6つの道標〜2023-2026〜」を掲げ、市政運営を行ってまいります。

6つの道標

不安なく健やかに暮らせる街をつくります(医療・福祉・介護)

新型コロナウイルス感染症の脅威により私たちの暮らしは一変しました。
これまでの感染症対策の経験を踏まえ、いざという時に備えた体制づくりに、一層力を入れてまいります。
また、子どもから高齢者まで、全ての市民が心身の健康を維持し、生き生きと暮らせる環境づくりを進めます。

  1. いざという時に迅速に高度な医療を受けられる、医療充実都市をめざします
    1. 救急搬送時間の短縮や夜間における医療提供体制を充実させ、より速やかに適切な救急医療を受けられる仕組みをつくります。
    2. オンライン診療等のデジタル技術を活用した医療提供体制を整えます。
    3. 保健所の機能を強化するとともに、医療機関等とも一層連携して、パンデミック等の脅威にも即応できる医療体制を整えます。
    4. 市立札幌病院における災害・感染症対応、地域医療機関との連携、救急・周産期医療等について、内容の充実と機能強化を図ります。
  2. ご高齢の方をはじめ、誰もが長い間、健康で充実した生活を送れるよう支援します
    1. 運動が身近なものとなるよう、スポーツに親しむ人々が、世代を問わず、それぞれの志向やレベルに合わせてさまざまな種目に参加でき、多様な主体が運営する新しいタイプのスポーツクラブ(総合型地域スポーツクラブ)を育成します。
    2. 都心の歩行環境の改善など、日常生活の中でも歩きたくなるまちづくりを進めます。
    3. 健康診断の受診率向上や検診体制の充実などのがん対策を推進し、発症の予防、早期発見・治療につなげていきます。
    4. 認知症に関する相談体制の強化など、認知症のご本人やサポートする方に対する支援を充実させます。
    5. 歯周病検診の受診率向上など、歯や口腔の健康対策を推進します。
    6. 多様な社会参加等を通じて生きがいを感じられるよう、ポイントを貯めてサービスを利用する制度など、デジタル技術を活用した、楽しみながら高齢者が活動できる仕組みを創設します。
    7. 特別養護老人ホームの定員を拡大して、緊急度の高い待機者を減らしていきます。
    8. 転居等に関する悩みを抱える高齢者等に対し、入居から退去までをサポートします。あわせて、転居を希望する高齢者が、持ち家を希望する世帯等へ円滑に住宅を引き継げるよう支援します。
  3. 誰もが住み慣れた地域で自立した生活を送るための支援を行います
    1. 福祉に関する生活の困りごとを抱える市民からの相談を一元的に受け付ける、福祉の窓口「(仮称)福祉ワンストップ窓口」を新設します。あわせて、自ら相談することが困難な方への働きかけにも積極的に取り組みます。
    2. 介護予防センターと地域包括支援センターの機能と体制等を強化し、高齢者の心身の状態に応じたよりきめ細かな支援を行います。
    3. 老々介護や8050問題(※)をはじめ、コロナ禍により一層深刻となった孤立・孤独問題へ、積極的に取り組んでいきます。 ※8050問題……80代の親が50代の引きこもりの子の面倒を見ていることによって生じている生活問題
  4. 障がいのある方を支え、自立を促進する取り組みを進めます
    1. 重度心身障がい者医療費助成を拡大するとともに、障がいのある方が自立した生活を送れるよう、支援を拡充します。
    2. 市役所内にユニバーサル推進室を設置し、移動経路、建物等のバリアフリー化や心のバリアフリーに関する取り組みを推進します。また、民間企業と連携し、障がいのある方はもとより、誰もがストレスなく移動を楽しめるサービス(ユニバーサルMaaS)に関する取り組みを進めます。
    3. 障がいのある方の就労支援や、文化・社会活動等への参加を支援します。また、障がい者スポーツの普及を促進するとともに、その拠点となる障がい者スポーツセンターの新設を検討します。

上に戻る

安全で快適に暮らせる街をつくります(暮らし、防災・防犯)

気候変動の影響による大雪や野生動物による被害は、近年の大きな課題です。市民の安全・安心を最優先し、自然との共生も重視しながら、対策を行います。
また、さまざまな先進技術の活用で、暮らしやすさを高める行政サービスも実現します。

  1. 大雪にも強く、持続可能な除排雪体制を再構築します
    1. 過去の大雪の経験を教訓とし、災害級の大雪に見舞われても市民生活への影響を最小限に食い止められるよう、関係機関等と連携してより適切で迅速な除排雪体制をつくります。
    2. 道路の機能・役割に合わせた除排雪の在り方を含め、市民が将来にわたり安心して冬季の生活を送れる持続可能な除排雪体制をつくります。
  2. 町内会等の地域活動を支援します
    1. 「札幌市未来へつなぐ町内会ささえあい条例」に基づき、生活道路にかかる除排雪の負担軽減や、ごみステーションの適正管理、町内会活動の担い手確保など、町内会活動の活性化に向けた支援策を実施します。
    2. NPOをはじめとするさまざまな団体が、地域の課題解決に向けて行うまちづくり活動を支援します。
  3. 災害や事件・事故から市民を守るまちづくりを進め、安全・安心な生活環境を整えます
    1. 近年の災害を教訓とし、既存の対策を見直し、冬季における災害対策の強化や、耐震化推進に取り組みます。
    2. 防犯カメラの設置や「子ども110番の家」の普及など、地域の安全を支援します。「札幌市客引き行為等の防止に関する条例」により、繁華街の安全・安心な環境を確保します。また、特殊詐欺や悪質商法等による被害の防止に取り組みます。
    3. 「(仮称)犯罪被害者支援条例」を制定し、犯罪被害に遭った方に対する総合的な支援を行います。再犯防止に関する取り組みも、関係機関や民間団体と連携して行います。また、パートナー等からの暴力被害について、より相談しやすい環境整備などの支援体制を整えるとともに、被害者の自立に向けたサポートを充実させます。
    4. 子どもを巻き込む交通事故と、近年増加傾向にある自転車事故への防止対策を強化します。また、運転に不安を抱える高齢者へ免許証返納を促す取り組みを進めます。
    5. 安全性等に問題のある空き家の解消に取り組むとともに、老朽化したマンションの適正な維持管理を支援します。
    6. 近年市街地への出没が増加し、市民に被害を及ぼすおそれのある野生動物(クマ、シカ、キツネ、アライグマ等)について、自然との共生にも配慮しつつ、関係機関と連携して効果的な対策を講じます。
  4. 新たな民間の知見やデジタル技術を活用して、
    市役所業務の改革を行い、市民サービスの向上を図ります
    1. 市民意見をしっかりと市政に反映するために、条例の検討を含む仕組みづくりを進めます。また、反映した結果や評価の見える化を進め、一人ひとりが市民参加を実感できるように取り組みます。
    2. 行政課題の解決に向け、民間からのアイデアを一元的に受け付ける窓口を新設し、規制緩和、民間ノウハウ・資金活用の手法等を積極的に取り入れた官民連携のまちづくりを進めます。
    3. コンビニエンスストアでの住民票の写し・印鑑登録証明書等取得時の手数料を減額します。また、オンラインサービスの活用により、行政サービスの利便性を向上させます。中央区役所の建て替え及び将来の南区役所の建て替えに合わせ、DX(デジタルトランスフォーメーション)(※1)による「書かない」「待たせない」「同じ説明を繰り返させない」窓口の実現をめざします。
    4. 行政事務センターやデジタル技術の活用により効率化した市役所の人員を再配置することや、協働の精神で課題に挑戦する職員を育成することにより、市民目線の行政運営をより一層進めます。
    5. 目の前の市民生活の安定や未来につながるまちづくりに必要な支出をしっかりと行いつつ、既存事業の抜本的な再構築と新たな財源の確保に積極的に取り組みます。また、脱炭素やバリアフリー化等の社会的課題の推進に当たっては、ESG債(※2)を活用するなど、資金調達の多様化も図りながら、将来世代に過度な負担を残さない財政運営に取り組みます。
    6. さまざまな行政課題や行政サービスについて、各分野の企業家等と市長が直接意見交換を行い、民間の発想を具体的な行政運営に反映させる新たな仕組みをつくります。

    ※1 DX(デジタルトランスフォーメーション)……Digital Transformationの略。ICT(情報通信技術)の浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること

    ※2 ESG債……ESGは、Environment Social Governanceの略。環境課題や社会的課題の解決に向けた事業に充てる資金を調達するための債券

上に戻る

未来の担い手が希望を抱いて自分を磨ける街をつくります(子ども・教育)

子どもは、さっぽろの明日をつくる力です。
価値観の多様化、学びの多様化に対応し、個性を伸ばし、磨きながら、健やかに成長できる環境を整えます。
また、困りごとを抱える子どもたちを、さまざまな施策で支えます。

  1. 経済状況によらず安心して子育てができるよう支援します
    1. 子ども医療費や保育料の無料化の対象をさらに拡大します。
    2. 学校給食費への公費負担をさらに拡大します。
    3. ひとり親家庭に対する医療費の支援を拡大します。
    4. 病児保育や短期入所など保育の質の向上を図ります。また、保育分野の就労支援や相談対応、潜在保育士の掘り起こし等を行う「保育人材支援センター(さぽ笑み)」の機能を強化し、保育人材の確保を支援することなどにより、安心して預けられる保育所環境を整えます。
    5. 子どもコーディネーターによる相談対応など、困りごとを抱える子どもや家庭を早期に把握し、必要な支援につなげる取り組みを強化します。また、道内産地から直接食材を確保できる仕組みづくりなどにより「子ども食堂」の安定運営を支援します。
    6. 妊娠前から、出産、育児までの各段階で、必要な支援の充実を図ります。また、育児休業の取得促進に向けた取り組みにより、男性の子育てへの積極的な参加を推進します。
  2. 全ての子どもが健やかに安心して生活できる環境をつくります
    1. 第2児童相談所の開設に合わせ、児童福祉専門職の育成や一時保護所の定員増を図るなど、増加する相談事案に適切に対応できる体制を強化します。また、学校等におけるいじめの予防と早期の発見・解決に取り組みます。
    2. タブレットを活用したオンライン授業などデジタル技術等を活用し、不登校児等の学びの機会を確保します。
    3. 家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども(ヤングケアラー)が安心して暮らし、学ぶことができるよう、気軽に相談できる場の提供等により、早期に状況を把握し、適切な支援につなげていきます。
    4. 医療的ケアを要する子どもたちへの支援を継続します。また、病気を抱える子どもたちが家族や友人と安心して過ごすことのできる居場所(こどもホスピス)づくりに取り組む民間団体等の活動を支援します。
  3. 子どもが多様な学びや体験を得られる教育環境を整備します
    1. 経済状況によらず安心して学べるよう、学習援助や奨学金制度などの就学支援を充実させます。
    2. 障がいのある子どもが、住み慣れた地域の学校を含めた、適切な環境で学べるよう支援します。
    3. 少人数学級の対象学年を拡大するなど、きめ細かな指導を継続的に行える教育を、一層充実します。
    4. 小中一貫教育のモデルとなる義務教育学校を設置します。
    5. 学校等への冷房設備の導入で、子どもたちが快適に過ごせる学習環境を整えます。
    6. 保護者や地域など子どもに関わる人たちの意見を学校運営に反映させる「コミュニティ・スクール」という仕組みを導入し、子どもの多様な学びや成長を支えます。
    7. 外国語教育、プログラミング教育、理数教育等を推進し、国際的に活躍できる人材を育成します。また、子どもが将来への夢を描く手助けとなるよう、民間企業と協力し、早い時期から職業体験を得られる機会を設けます。
  4. 子どもがスポーツや運動を楽しめる機会を増やします
    1. スポーツ観戦の機会を増やすなど、子どもたちにスポーツや身体を動かすことの楽しさを知ってもらうとともに、将来の健康維持にも役立つ、基礎体力の向上につながる取り組みを充実させます。
    2. 部活動がより充実し、持続可能なものとなるよう、運動系・文化系を問わず、専門人材の派遣を含めた外部人材の活用等を進めます。スポーツ参加の裾野を広げる取り組みや、アスリート育成のサポートも強化します。
    3. 子どもたちがウインタースポーツに親しめるように、学校におけるウインタースポーツ学習を支援するとともに、市内のスキー場やスケート場の利用促進を図ります。

上に戻る

誰もが自分らしく活躍できる持続可能な街をつくります(共生、環境)

価値観の変化、生き方の変化を受容する、共生社会の実現に向けて取り組みます。
持続可能をキーワードに、環境やエネルギー面の課題にも取り組み、人と人、人と自然が調和するまちづくりを進めます。

  1. 互いの個性や違いを認め合い尊重し合える街をつくります
    1. 障がい、性別、年齢、人種、国籍などにかかわらず、誰もが互いの個性や違いを認めて尊重し合い、差別のない社会の実現を目的とする「(仮称)共生社会推進条例」を新たに制定し、全市民で取り組みを進めていきます。
    2. 市役所内にユニバーサル推進室を設置し、移動経路、建物等のバリアフリー化や心のバリアフリーに関する取り組みを推進します。また、民間企業と連携し、障がいのある方はもとより誰もがストレスなく移動を楽しめるサービス(ユニバーサルMaaS)に関する取り組みを進めます。
    3. 地下鉄南北線さっぽろ駅構内にあるアイヌ文化発信空間「ミナパ(※)」の機能を拡充します。札幌市アイヌ文化交流センター(サッポロピリカコタン)をはじめ、さまざまな場所において市民向けイベントや体験プログラムの機会を増やし、アイヌ民族への理解を促進します。
    4. 全ての人が平等に自分らしく生活を送れるよう、民間企業向けの啓発活動や学校教育を通し、性的少数者に対する理解促進を図ります。他自治体との連携や民間企業の協力のもと、同性パートナー同士に対して婚姻に相当する関係を認証するパートナーシップ宣誓制度を活用した取り組みも進めます。
    5. 札幌に住む外国人について、医療機関の受入体制の整備、日本語習得等の支援を行い、孤立防止と暮らしの不安解消を図ります。また、国籍を問わずどのような人でもまちづくり活動へ参加し、交流できる機会も増やします。

    ※ミナパ…アイヌ文化への理解を深めるきっかけづくりと、道内のアイヌ関連施設の情報を発信する場として2019年3月に設置

  2. 女性が安心して生活し、より活躍できる環境をつくります
    1. 心身や生活面でさまざまな課題を抱える女性に対し、SNS等を活用した相談対応や声掛け等のアウトリーチから、一時的な居場所の確保、公的機関等による安定的な支援へとつなぐなど、安心して日々の生活を送れるようにするための取り組みを行います。
    2. 母子の身体的ケアと母親のうつ予防のため、初妊婦や乳児家庭の全戸訪問を実施するほか、家事等を援助するヘルパーの派遣など、母子の体調管理や育児等の際の困難を支援する体制を強化します。
    3. ワーク・ライフ・バランスの充実など、全ての人が働きやすい職場づくりや、仕事と育児を両立させる職場環境の整備を進める企業・事業主の取り組みを支援します。
    4. 女性の働き方支援窓口「ここシェルジュ」の取り組みを強化します。起業しようと考える女性を含め、全ての働く女性を応援し、多様な働き方の実現を支援します。
  3. 脱炭素社会の実現に取り組みます
    1. G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合の開催を機に、ゼロカーボン都市「環境首都・さっぽろ」の取り組みを国内外に広くアピールするとともに、脱炭素社会に適応した新しいライフスタイルの普及・定着や、地域における環境投資を促進します。
    2. 産学官連携により、民間及び市有施設の省エネ化や再生可能エネルギーの利用を促進します。都心部に水素モデル街区を整備し、そこを起点に積雪寒冷地における水素自動車の普及を図るなど、「脱炭素先行地域」としての取り組みを着実に進め、2050年までに民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロをめざします。
    3. 札幌版の「ZEB(ゼブ)」(※1)の研究・実証を進め、既存の戸建住宅や集合住宅の高断熱・高気密化、さらには「ZEH(ゼッチ)」(※2)化など省エネに向けた取り組みを進めます。札幌市内で消費される電気については、北海道内で生み出された再生可能エネルギーへ転換していき、北海道全体におけるゼロカーボンの実現に貢献します。

    ※1 ZEB(ゼブ)…快適な室内環境を保ちながら、設備システムの高効率化により大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間のエネルギー消費量を省エネ基準から50%以上削減することをめざした建築物

    ※2 ZEH(ゼッチ)…室内環境の質を維持しつつ、大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間のエネルギー消費量の収支をゼロとすることをめざした住宅

  4. 自然環境の保護に取り組みます
    1. 都心部の再開発などを機に、緑があふれ、居心地が良く歩きたくなる開放的な空間を整備していきます。また、里山周辺において、森林と農地の一体的な管理、食材・木材等の資源活用を進め、自然環境の保全につなげます。
    2. 新たに整備する「(仮称)動物愛護センター」を核として動物愛護の普及啓発や教育の充実を図ります。札幌市動物園条例に基づく、生物多様性保全の取り組みを進め、自然と人が共生できる持続可能な環境の創出をめざします。

上に戻る

経済が活性化し社会が潤う街をつくります(経済・観光・雇用・人材育成)

経済の活性化は、街の魅力向上、市民所得の向上、新たな取り組みの財源確保という点で非常に重要です。
さっぽろの持つ、観光、食などの資源を引き続き活かしながら、新たな産業の発展や振興にも力を入れます。
これらの経済活動を担う人材の育成にも努めます。

  1. 札幌経済を牽引する産業を育成します
    1. スタートアップ(※)の進出・育成や、新たな民間投資を誘発するため、規制緩和やノウハウの活用などに向けた民間からの提案を受け付ける窓口を市役所内に新設します。また、これらの民間企業等が実証実験を行える場づくりなどを行います。
    2. 市民の健康寿命延伸にも役立つ、健康や医療、バイオを切り口とした産業のさらなる集積に向け、産学官の連携強化を図り、先端医療研究を活用した企業の取り組みを支援します。また、ゲーム、アニメ、IT・クリエイティブ等、今後の成長が見込まれる各産業の起業と事業展開を支援します。あわせて、これらの産業の拠点づくりを進めます。
    3. 都心部の再開発と連動した、戦略的な企業誘致活動を展開します。札幌への企業の進出・人材の流入につながるシティプロモートの取り組みを強化します。また、市内の遊休地等を活用してデータセンターや製造業等の立地を促進します。

    ※スタートアップ…社会や多くの人々が抱える課題を解決するため、IT等のテクノロジーの活用により、先端的な製品やこれまでになかった新しい価値を生み出し、非常に大きな成長と社会に大きな影響を与えることが期待できる起業のこと

  2. 市内産業の体質強化を図ります
    1. 海外事業に精通した専門家の活用や、経済交流事業を実施し、市内企業の海外展開を支援します。
    2. 企業や大学、市民と連携して、北海道の食材の魅力を活かし、「健康食」や「環境に優しい食」の開発・提供に取り組みます。食関連事業者の輸出力・国際競争力の強化に向けた支援も行い、札幌の食産業を活性化させます。
    3. 大谷地流通業務団地の立地企業の施設更新を支援するほか、需要に応じてさらなる物流用土地活用の可能性も検討し、物流循環の活性化を図ります。また、「さっぽろ連携中枢都市圏(※)」の取り組みをさらに推進します。

    ※さっぽろ連携中枢都市圏…より魅力的なまちづくりをめざして、札幌市と近隣11市町村(小樽市、岩見沢市、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村、南幌町、長沼町)によって形成。それぞれの「まち」の特性を活かし、密接な連携と役割分担のもと、救急医療やイベント開催など暮らしや経済に役立つさまざまな取り組みを行っている

  3. 中小企業や商店街の安定経営とさらなる活性化を支援します
    1. 中小企業等の円滑な資金調達を支援するほか、後継者不足に悩む事業者と、後継を希望する人とのマッチングをサポートします。また、生産性の向上に向けたIoT(※1)等の技術導入や、相談会やセミナーの開催等による人材確保、BCP(事業継続計画)、SDGs(※2)等の経営課題の解決を支援します。
    2. 商店街の特長を活かした新商品の開発やイベントなど、商店街における販売力・集客力の回復・向上のための取り組みを支援します。また、新規加入や若手組合員の定着を支援し、商店街の基盤強化を図ります。
    3. プレミアム商品券を発行するなど、今後も、物価高騰により深刻な影響を受ける市民や事業者等を支援します。

    ※1 IoT …「Internet of Things」の略称。日本語では一般的に「モノのインターネット」と呼ばれ、身の回りにあるものがインターネットにつながる仕組みのこと

    ※2 SDGs(エス・ディー・ジーズ)…「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。
    2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193カ国が2030年を期限とし、「誰一人取り残さない」をスローガンとして、「貧困の根絶」「エネルギー」「働きがい」「気候変動への対策」など17の目標を掲げている

  4. 世界中から人が集まる観光都市をつくります
    1. 世界トップクラスの雪質をPRするとともに、冬季観光資源を充実させます。また、それぞれの観光施設間の周遊性も高め、多様な観光客が長期間楽しめるスノーリゾートを形成し、市内経済の活性化につなげます。
    2. インバウンドの取り込みを再強化し、体験型観光の開発や、バリアフリー、多言語化など観光コンテンツの高付加価値化を図ります。
    3. ワーケーション(※1)、ブレジャー(※2)、ユニバーサルツーリズム(※3)といった新たな観光需要に対応していきます。あわせて、定山渓温泉など既存の観光資源の充実を図ります。
    4. 大規模な国際会議やイベントなど、MICE(※4)の取り組みを再度強化します。また、MICE施設の整備に向けた検討も進めます。
    5. 札幌ドームとその周辺を、展示会や子ども向けイベントなど、さまざまなイベントを一体的に開催できるエリアにして集客力の向上を図ります。
    6. 観光地域づくり法人(DMO)(※5)を設立し、持続可能で安定的な観光・MICE産業を構築します。多くの観光・ビジネス客を受け入れるための環境整備の財源として、宿泊税の導入を検討します。

    ※1 ワーケーション…Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語。テレワーク等を活用し、普段の職場や自宅とは異なる場所で仕事をしつつ、自分の時間も過ごすこと(観光庁Webサイトより)

    ※2 ブレジャー…Business(ビジネス)とLeisure(レジャー)を組み合わせた造語。出張等の機会を活用し、出張先等で滞在を延長するなどして余暇を楽しむこと(観光庁Webサイトより)

    ※3 ユニバーサルツーリズム…全ての人が楽しめるよう創られた、高齢や障がい等の有無にかかわらず、誰もが気兼ねなく参加できる旅行(観光庁Webサイトより)

    ※4 MICE(マイス)…企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称

    ※5 観光地域づくり法人(DMO)…地域の「稼ぐ力」を引き出し、地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役。多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくり戦略の策定と、戦略実施のための調整を行う(観光庁Webサイトより)

  5. 経済活動を支える人材の確保・育成に取り組みます
    1. 建設分野のほか、今後も需要が見込まれる福祉・医療・介護、保育、観光など人手不足の分野を含めた総合的な人材確保対策を進めます。
    2. 市内の大学・企業等と連携し、若者が地元で就職しやすい環境を整えるとともに、首都圏在住者の札幌への、UIJターン就職の支援窓口機能を強化します。
    3. IT人材の確保に向けた取り組みを支援するとともに、AI(※)やIoT等の先端技術を高度に駆使できる人材の育成を図ります。また、外国人材の採用、国際ビジネス人材の育成を支援します。企業とプロフェッショナル人材のマッチング、若年層に対するものづくり産業の魅力発信等も行い、専門的な人材の確保を後押しします。

    ※AI …「Artificial Intelligence(人工知能)」の略称で、人間が持っている認識や推論などの能力をコンピューターでも可能にするための技術の総称

  6. 誰もが働きがいのある街をめざし、環境整備に取り組みます
    1. 経済界や労働界などの関係団体と協議会を設置し、人手不足の解消による地元企業の経営の安定化と労働者の雇用環境の向上を両立させるため、条例の検討を含め、新たな仕組みの創設に取り組みます。
    2. 市が発注する事業の現場で働く労働者が、より良い雇用・労働条件の下で働くことができる仕組みづくりを進めます。
    3. 公共工事の品質確保と不当廉売防止のため、総合評価方式のさらなる改善を推進します。
    4. 賃金水準の上昇に応じて、指定管理者制度の下で働く労働者の賃上げを支援する仕組みを導入します。

上に戻る

世界を引きつける魅力的な街をつくります(まちづくり、スポーツ、文化)

国内外に多くのファンを持つさっぽろのさらなる魅力向上に向け、文化、食・自然、スポーツなど多様な分野でさまざまな取り組みを行います。
次の100年間を見据えながら、住む人も、訪れる人も笑顔になれるまちづくりを進めます。

  1. 街の拠点となるエリアの整備を進め、市全体を活性化させます
    1. 札幌駅周辺エリア及び大通駅周辺エリアにおける街のリニューアルに向けた検討・事業化を加速させます。また、大通公園及びその周辺街区と、近隣に新幹線ホームの設置が予定されている創成川東エリアについて、魅力アップに取り組みます。
    2. 円山・大倉山周辺、スキー場等のスノーリゾートエリア、丘珠空港周辺、中島公園周辺の各エリアを、「高次機能交流拠点(※1)」として再整備します。
    3. 多くの公共施設等が集まる真駒内駅前地区、北区北部地区の生活を支える篠路駅周辺地区、にぎわい交流づくりに取り組む清田区役所周辺の3エリアを、「地域交流拠点(※2)」として再整備します。また、デジタル技術を活用し、郊外の住宅地が抱える、地域交流、移動手段、医療・介護等の課題の解決に取り組みます。

    ※1 高次機能交流拠点…産業や観光、文化芸術、スポーツなど、国際的・広域的な広がりをもって利用され、札幌の魅力と活力の向上を先導する高次な都市機能が集積する拠点

    ※2 地域交流拠点…交通結節点である主要な地下鉄・JR駅の周辺で、都市基盤の整備状況や機能集積の現況・動向などから、地域の生活を支える拠点としての役割を担う地域のほか、区役所を中心に生活利便機能が集積するなどして区の拠点としての役割を担う地域

  2. 持続可能な公共交通ネットワークの構築と広域交通の整備を進めます
    1. 地域の足を持続的に確保するため、利用者のニーズに応じて運行するデマンドバス(※)の活用を含めたバス路線の再編を検討します。また、新たな公共交通システムの導入で、都心部における移動の利便性を高めます。
    2. 道内外を結ぶ広域交通の拠点として、北海道新幹線の札幌延伸、札幌駅前バスターミナルの整備、滑走路延伸を含めた丘珠空港の整備、都心アクセス道路(創成川通)の整備等を着実に進めます。
    3. 地下鉄清田方面延伸の可能性について、今後の札幌ドーム周辺における土地利用の状況や将来的な需要の推計等を踏まえて、総合的な検証を行います。

    ※デマンドバス…利用者のニーズに応じて柔軟な運行を行う形態のバスのこと。運行方式、運行ダイヤ、発着地の自由度の組み合わせにより、多様な運行形態が存在する

  3. スポーツによるまちづくりを加速させます
    1. スポーツの振興やスポーツを通じた健康寿命の延伸、経済・街の活性化に向け、札幌ドームとこれを中核とする周辺エリアを、障がいの有無や年代の違いにかかわらず多くの市民が利用できる「スポーツ交流拠点」として整備します。
    2. 市内6スキー場を中核とするスノーリゾートの整備を進めます。また、スケートボードなど、若者に人気の都市型スポーツやeスポーツ(※)をより身近に楽しめるようにするほか、老朽化した月寒体育館、大倉山ジャンプ競技場、美香保体育館を、市民ニーズに応えられる施設にリニューアルします。
    3. ウインタースポーツ競技を中心に魅力的な国際大会を誘致し、スポーツイベントに対する市民の関心をさらに高め、スポーツのまち・札幌の魅力を世界に発信します。
    4. スポーツに親しむ人々が、世代を問わず、それぞれの志向やレベルに合わせてさまざまな種目に参加でき、多様な主体が運営する新しいタイプのスポーツクラブ(総合型地域スポーツクラブ)を育成します。
    5. 障がい者スポーツの普及を促進するとともに、その拠点となる障がい者スポーツセンターの新設に向けた検討に着手します。

    ※eスポーツ…「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称(一般社団法人日本eスポーツ連合Webサイトより)

  4. 豊かな文化・芸術活動を通じ、さまざまな交流を育みます
    1. PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)やサッポロシティジャズなどの文化事業、演劇・音楽・ダンスの公演や美術展などの充実に取り組みます。また、文化・芸術活動に広がりを持たせるため、漫画やアニメなどのポップカルチャーを活用した取り組みを進めます。
    2. 国際芸術祭を冬季に開催することで、札幌や北海道の冬の魅力を世界に発信します。
    3. ふるさとへの愛着と誇りを育み、札幌が積み重ねてきた文化と魅力を国内外に発信する「(仮称)札幌博物館」の整備に向けた検討を進めます。
  5. 市民等の意向を踏まえて冬季オリンピック・パラリンピックを招致し、
    これからも輝き続ける街をつくります
    1. 子どもや若者たちに将来への夢や希望を与え、持続可能なまちづくりの契機とするためのオリンピック・パラリンピック冬季競技大会については、透明性・公正性の高いクリーンな大会の計画案を策定し、市民等の意向を確認した上で、招致をめざします。

上に戻る

これまでの主な取組成果